TAKEHIRO TEZUKA

I am back

 絵画制作を再開して一番初めに出来た作品に「I am back」という作品がある。手前の鬱蒼とした茂みの奥から光が差し込んでいる絵だ。なぜこうした絵を描こうとしたのか未だに分からない。ただ、ひたすら絵を描くとはどういう風であったか思い出すようにして描いていった。
 上から要素を足してゆき、時に画面の絵具を削り取り、また描いてゆく。ストロークの線の交差が、空間性を生み、物足りないと感じられた部分に要素を足してゆく。最終的に意識することなく自然と光を描き加えられ、完成した。
制作の経緯(プロセス)はとても不器用で非合理的だ。しかし、出来たものは当時の私を暗示しているかのような絵画に思われた。
 私は、ここからあの光に向かうのだ。新しい私が作る作品を探索するのだ。